◇第1章◇ 新しい生活

7/43

2859人が本棚に入れています
本棚に追加
/332ページ
哲也がくれたチケットの席は、一塁側の内野席。 外野席より内野席で見たいと言ったら、グランドに近い席を用意してくれた。 「思ったより狭いな」 お父さんがそう言ってグランドを見回した。 テレビだとすっごく広く感じるね。 選手も小さく見えるし。 でも今は、グランドにいる選手も近いししっかり見える! 哲也は………まだいない。 対戦する北海キャデックスがノック練習をしていた。 「私、ユニフォーム買ってくる!」 そう言ったら、お母さんもほしいと言って二人で売店に向かった。 試合開始一時間前で、既に売店は長い行列。 ユニフォームを買って、お父さんのビールやおつまみも買って席に戻ったら、哲也のお母さん&お姉さん家族が到着していた。 「お義母さんっ…!」 「千夏ちゃん!」 お義母さんの優しい笑顔も一ヶ月ぶり。 私が東京に出て来る直前、簡単に両家で食事をしたんだけど、その時以来。 みんなで野球観戦なんてすごく楽しそうっ! 「ねーちゃん、オレ忘れてねーか?」 私の服をぐいぐい引っ張る巧君。 「忘れてないよぉ~!タクちゃん、元気だった??」 「当たり前だろぉ」 照れ笑いがかわいいタクちゃん。 頭をこれでもかっていうくらい撫でたら笑いころげて椅子で頭をぶつけてしまった。 それでも笑ってるタクちゃん。 本当にかわいい。 おもしろい。 やっぱり子供っていいなぁ!
/332ページ

最初のコメントを投稿しよう!

2859人が本棚に入れています
本棚に追加