プロローグ

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そう思いながら、冷凍食品ばかりの味気ないお弁当を食べる。 実にうまい。が、味気ない。 母親の手料理は味はそこそこだが、なんか人間味がするというかなんというか。 それに対してこいつらは味はぴかイチだが、なんか機械的な味なんだよな。 「私は人間だ。」 そう、私は人間なのだ。 機械ではない。 ダッチワイフではないのだ。 もし仮に彼氏ができたとしてもダッチワイフ代わりにはなりたくない。 それは私のこだわりであり、絶対に譲れないものだ。 結婚するなら家庭的な夫で、私が求めるとき以外はセックスを強要しないで、子供の面倒もしっかり見てくれて、ちゃんとした収入もある。 そんな男がいればすぐにでも結婚するのだが、残念ながら今のところ私の周りにはチンパンジーのようにセックスで頭がいっぱいの男たちしかいない。 残念だ、実に残念だ。 この世は腐っている。あぁ、こんな世界なくなってしまえばいいのに。
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