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「てかさぁ、さっきからなんかみんなの声がなんか機械的っていうか変な風に聞こえるんだけど、中耳炎なのかなぁ。」
「エェー、ダイジョウブ!?ヤッパリネスギハカラダニドクナノカナ?」
「わかんないけど、でも帰り耳鼻科に寄ってみるよ。」
「ウン、ソウシナヨー。シンパイダカラ。」
「うん。」
「はあぁーあ、今日も何事もない退屈な日の予定だったのになぁ。空もいつもどおり曇りだしね。」
そう言いながら、窓の外を見上げると、そこにはいつもの空とはまるで違う、そうまるで人が怒った時のような表情の雲がこちらをにらみつけているのだ。
いや、雲に顔が浮き出ているといったほうが正しいかもしれない。
一体何なんだ今日は。耳がイカれたと思ったら今度は目か。自分の体は一体どうなってしまったんだ。
優子の言うように寝すぎておかしくなってしまったのか。
それとも、何か今とてつもないことが起きているのか?
私には全くわからない。
「きっとなにかの見間違いだよね。今日はアニメの見過ぎで疲れてるんだ。」
そう言って自分を納得させるしかこの怪奇現象を説明する手立ては今のところなさそうに思えた。
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