プロローグ

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 あぁ、今日も退屈な日々が始まる。  そう思うと、急に心がぼんやりと曇ったレンズのようにくすんでしまう。  ただ、そう思っていても時間は止まってくれないので、私は今日も遅刻ぎりぎりで学校へ向かう。 「おはよう!」  今日も元気よくみんなが想像する女子高生を演じる私。  本当はこんな自分は自分じゃないと思ってはいるが、周りの目も気になるし、致し方ないといったところだ。 「おはよう、理沙!」  そう返してくれたのは、クラスの学級委員でもあり、クラス一の美少女である優子だ。  名前の通りすごく優しい子で、決して気取らないのだが、私は心の中では大嫌いだ。  なぜなら優子にはイケメンの彼氏がいて、私は生まれてこの方男の子とキスしたことさえないから。
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