プロローグ

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はぁー、自分でもわかっている。 こんなこと言ってる暇があれば自分が幸せになればいいと。 ただ、そう考えれば考えるほど、どうにもならない現実で自分がミジメになるだけだということも知っている。 だから、私にはその気力もない。 世界中で誰よりも大好きだった武を別の女に奪われたあの日から。 思い出すだけでも悔しいし、泣きたくなる。 私は確かにかわいくはない。 それでも、幼稚園のころからずっと一緒にいた武を一途に想い続けてきた気持ちだけは誰にも負けない自信があった。 これから先もずっと一緒にいられると本気で信じていた。 そんな私の気持ちがあなたにはわかるの? たぶんわからないでしょうね。 だってあなたはかわいいから。 誰よりもかわいくてみんなからチヤホヤされて、いつもいい思いばかりしている。
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