プロローグ

6/13
前へ
/13ページ
次へ
まったくうるさい女だ。 若いだけのくせして男どもにチヤホヤされてるからって女王様気取りですか。 まぁ、嫌われるといろいろ面倒だから今は従ってやるがな。 あぁー、早く私も二十歳になりたいなぁー。 ガキ扱いされるのは正直もううんざりだ。 さてと、ひとしきり朝のくだらないやり取りは終わったし、恒例のお昼寝タイムといきますか。 昨日は夜中の3時ぐらいまでアニメ見ちゃったし。 そんなことを考えながら、ぼやーっとした意識の中私は眠りについた。 「ふわぁーあ」 わざとらしく大きなあくびをして目を覚ますともう昼休みだった。どうやらよだれをたらして爆睡していたらしい。 夢は見なかった。 というか、夢を見ないように自己暗示をかけているといったほうが正しいか。 一体もうどれくらい夢を見ていないのだろう。 自分でもよく覚えていないが、夢にはいつも武が出てきて他の女の子と仲良くしゃべっている。 そんな夢、誰が見たいと思うだろうか。 誰しも好きな人が彼女と仲良くしゃべっている夢なんて見たくないはずだ。 だから、夢を見ないというのは一種の自己防衛手段なのだ。私がこれ以上傷つかないための。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加