プロローグ

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しかし妙だ。 私の耳が寝ぼけているのか、周りから聞こえてくる話し声がみな機械的なのだ。 なんというかワレワレハウチュウジンダに近い。 感情がこもっていないのだ。 もしや私が常日頃から願っている人の本音を聞ける能力を手に入れたのか。 いや、話している内容はいたって普通だ。 「キノウカラオケデイケメンニコエカケラレチャッテー」 「エーマジデー」 「サイキンノドラマシロウトアイドルバッカデウザイネ」 「ホントダヨネー」 うむ、普通だ。 だが、なぜこんな風に聞こえているのだろう。 自分の声は普通に聞こえるのに。 「帰りに耳鼻科寄ってこう。」
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