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そうこうしてる間に蓮先生が来た。 「おはよう。今日は新歓の鬼ごっこの日だ。さっそくだが、鬼側か逃げる側かを決めるくじ引きをするぞ。みんな、この箱から1枚ずつ紙を取ってくれ」 そう言って、蓮先生は教卓の上に大きめの箱を乗せた。 「じゃあ、くじ引きに行こっか」 『そうだね』 他のクラスメイトの後に並んでくじを引く。 …どうか、鬼でありますように! 「…あ、まだ中は見るなよ! ……よし、みんな引いたな?じゃあ、これから体育館に行くぞ」 …え、ここで中を確認するんじゃないの? このまま体育館に行くの? 「体育館に行ったら入り口に係員がいるから、そいつにそのくじを渡して、見分ける為の目印になる物を受け取ってくれ。その後開会式を始める」 ほんとにギリギリまでどっちなのかわからないのか…。 ……俺…鬼だよね? 澪の言った事、ほんとにならないよね? 「瑞樹は逃げる方だね」 『…えっ!?』 …何!?また読まれたの? どんだけわかりやすいんだ、俺! 「瑞樹は僕が捕まえるから、他の人に捕まっちゃダメだよ?」 『俺が鬼の可能性は…』 「ないと思うな♪」 え…ちょ、澪さん?何でちょっと楽しげなの? 今絶対言葉の最後に音符マークついたよね!? 澪の断言怖いんだけど! 『…た、例え俺が逃げる側だったとしても、誰にも捕まらない可能性だってあるよ!』 「それはあるかもね。でも、僕は瑞樹を捕まえるから」 だから断言するのやめて!ほんとになりそうで怖いから!! .
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