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あれから数十分…。
「東雲様ー!待ってー!!」
「逃げないで下さい、東雲様ー!」
「なぁ、俺の物になれよ東雲ー」
「いや、僕の物になって下さい!」
「置いてかないでー、東雲様ー!!」
「はぁ…はぁ……きつい…死ぬ…」
「待って下さーい!」
……どうしてこうなった!!
何で俺は今、クラスの大半に追われているのだろう…?
最初のチワワちゃんが俺の名前を大声で呼びながら追いかけてきて、それを聞いた他の子達が何故か一緒になって追いかけてきたんだけどさ…。
まさかこんな大人数に追われる事になるとは思わなかったよ!?
みんな、俺と会うまでに他の逃げる側の子を見つけられなかったのかな…?
でも、今俺を追いかけてきてる子達の中には、ちらほら鬼じゃない子も混じってるんだけど。
何故そっちを捕まえないの?
あと、逃げる側の君らは俺を捕まえてもどうしようもないのに何故追ってくるの?
『…あの、どうして皆さんは俺を追うんですか?俺より狙い易い人が他にいるのでは…?』
少し後ろを振り向きながら言う。
どう考えても、一緒になって俺を追いかけてきてる逃げる側の子を捕まえた方が早いでしょ?
周りが見えてないの!?よく見て!!
「東雲様がいいんですー!」
「東雲じゃなきゃ、やだから」
「東雲様ー、僕の物になって下さい!」
「いいえ、僕の物に!!」
何でそんなに俺に拘るの?
よくわからないなぁ…。
まぁ、人の好みはそれぞれだからね。
この子達はちょっと特殊なのかもね?
みんなが特殊な好みでも、俺は否定しないよ。うん。
まぁ、捕まる気はないけどね。
「…東雲さ…そんな見た目でいつまで走るの…」
「…そろそろきついです…東雲様…」
ドサッ…
…あ、2人脱落した。
『お疲れ様です。ゆっくり休んで下さいね』
「「はーい…」」
やっぱりうちのクラスの子達はちゃんと返事してくれるから良いよね!
…てか、《そんな見た目》って何!?
俺そんなに体力なさそうな見た目してるかな?
あんまり筋肉はつかない体質だけど、見た目でわかんないだけで、ちゃんと力はあるし、運動も出来るし……って、俺体育の授業出てないんだった…。
今度、体育の授業出るよ!いつか…その内ね…。
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