A 次女 華子

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 小さいころから姉のものは、姉のもの。私、華子のものは、姉のもの。 唯一とられないもの、それは、母方のおじいちゃん。 電車で、遊びに行っていた。 姉は、おじいちゃんに近寄ろうともしなかった。 私にとっては、天国。パラダイスだった。 夢の中でも、いつもおじいちゃんの膝の上にチョコンと座り。 おじいちゃんの前で、スカートヒラヒラさせ、お姫様気分をあじわえたのだた。 私をみてる。 おじいちゃん。 微笑み 私を見ていてくれるおじいちゃん。。。 微笑んでる。  めざまし時計が一つ鳴る。さらに、もう一つ。 朝に弱く、すこぶる機嫌がわるい。 私、華子。いつものように、顔をあらい。歯ブラシ。 朝のパンを一枚。イチゴジャムをつけて、頬張る。 高校に入ったものの、未だに馴染めず、懲りもせず。 姉の後を追って、同じ高校へ。 間違っている。いや、場違いだった。
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