Voice...

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ほんの一瞬だった。 一瞬でひきつけられた。 あなたの声に。 Voice... 何でもない日常。 学校へ行って、 友だちと喋って、 気紛れに勉強して、また喋って、 それが終わったら 帰りにクレープ食べて、 またお喋り。 気が向いたら家に帰る。 それまでは遊ぶ。 毎日がその繰り返し。 興味があることといえば、 服とメイクと男の話。 それ以外は興味を持たないし 何も熱くならない。 それがわたしの日常。 何でもない日常。 でも何か足りない、 欠けた日々。 そんなある日。 聴こえたの、 あなたの声が... たまたま立ち寄ったCDショップで聴いた、 まだデビューして間もない 名も知らないロックバンド。 偶然という名の必然。 聴こえた声は、 どこまでも透きとおった、音。 ほんの一瞬、 一瞬でひきつけられた。 鼓膜を震わせて、 脳を震わせて、 世界を消し飛ばして、 あなたの奏でる音だけが、 ただ鮮明で... 自分でも知らなかった。 こんなにもつよく誰かにひかれるなんて... 今まで好きになった誰よりも ただ、あなたにひかれた。 息ができない、 心臓が止まる 苦しくて、苦しくて。 でも、聴いていないともっと苦しい 酸素に似ている、あなたの甘い歌声。 気の遠くなるくらいの 甘い声が、 頭の中を、 甘い疼きで満たしてゆく。 心臓は壊れた脈を打ち、 身体中は熱に浮かされてほてり、 狂おしく愛しくて、 心が、身体が あなたを求める。 有限の世界で無限を歌うような あなたの声が、 ただ、わたしをひきつける.. あなたの声は、あなたの言葉は、あなたの存在は、 わたしの存在する理由。 けして叶うことのない恋。 それは永遠に下がらない微熱。 I have a thirst for you(あなたを渇望) けして届かない けして叶わない恋だけど それでも あなたを愛するこの気持ちだけが わたしの中で、 唯一確かなものだから 永遠に朽ちない愛を誓います... >>End (2006/12/21)
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