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だんだんうとうとしてきた。
俺は夕飯も食べ終え、風呂にも入り、歯まで磨いて謎の生物が目覚めるのを待ってる。
なぜかって?
純粋にいてもらわれると困るからだ。そんなこと聞いてない?あ、そう。
そして困ってるところに電話がなった。この生物の飼い主なんじゃないかと、俺は安心しながら電話に出た。
「もしもし」
ーーーブチーーー
ツーーーッツーーー
出たとたんに切られた。間違い電話かなぁ。
俺は溜め息をつきながら受話器を置いた。
もう寝よう。アイツも目が覚めれば勝手に何処かへ行くだろう。そう期待しながら寝ることにした。
驚いた。見知らぬ少年または少女が突っ立って俺をガン見していた。
心臓が口から飛び出るんじゃないかと思うほど驚いた。
「……クーン…。」
少年または少女は犬みたいな声を出した。
いや、あれはどう見たって犬だ。人間になり損ねた犬だ。
白くてまぶしいほど綺麗な髪のはえた頭には尖った大きな耳、巫女さんが着てそうな服を着た身体は細く、爪が簡単に肉がかっ切れそうなほど長くて鋭い。
そして、後ろから髪同様真っ白なふさふさした2本の尻尾が時折ちろちろ見える。
……さっきの生物じゃねぇか。
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