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――― 例えば今日、自分が死に直面してしまうとして。
そんな想像をすると、あぁ、この時人間は二種類に分かれるんだろうな、って俺は思った。
誰にもお別れを言わない人間と、誰かにお別れを告げる人間。
俺は間違いなく後者のタイプだろうな、って思っていたら、やっぱりそうだった。
実際にお別れを告げたのが家族じゃなくて仲間だったっていうのが、なんだか少しおかしかった。
でも、誰に何を言うとしても、俺は「さよなら」は言わないよ。
だって俺は信じているから。
いつかもう一度生まれ変われることを。
この広い世界の中でまたみんなと巡り会える、奇跡を。
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