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状況が全く掴めない俺に、指を指したまま
面倒くさそうにして
「なんか、お前に会いたいらしいから
今から連れてくわ」
と言った赤メッシュ君は、踵を返すと
スタスタと前へ進んで行ってしまった
…えっと?まず、…誰が?!
誰が俺に会いたいって言うたの!?
そして何処に行くの!?
つか俺の意思は尊重されないの?!
そこら辺の説明プリーズ!!
ぐいっ!
「うお!?」
俺一人戸惑っていても、両腕を掴む二人も
背中を押してくる二人も容赦無し!
引っ張られ~の、押され~ので、どんどん
どんどん前へ進んでいく
「いや待って!!俺課題あるし!
雨で濡れたから服着替えたいし!
他にも色々…!!」
「良いから来いやぁっ!!」
「…はい」
年下に気迫負けして、大人しく連行される
自分が情けなくて、もう、何も言えねぇ…
しょんぼりしたまま、されるがまま、
高校生達についていく
…その道中、ちらりと自分の手荷物を見る
雨対策してないパネルはびしょびしょで、
折角描いた課題の絵は、絵の具が流れて、
…汗と涙をぶち壊しにする色になっていた
一色 完成
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