出逢い

9/9
前へ
/235ページ
次へ
 “運命の人と出逢った”  彼の歯の浮きそうな台詞にも、舞い上がってる私には、嬉しくて堪らない。  バカップル丸出しの、Wink板での大量のハートを翔ばす書き込みも、彼の「普通カレカノならするでしょ?」の一言で、最初の気恥ずかしさも何処かにいき、たくさん“ダイスキ”と、書き込んだ。  彼からのリアメール。  地色を変えたり、テンプレートや絵文字が沢山着いていた。  私は業務メールみたいな物から、彼に合わせたメールの打ち方に変更した。  どんどん彼に染まってゆく。  ある日、彼の本名を知る。  キムラ カズヒロ  ………カズ………  昔の愛しい人の名前と同じ響きに、ドキンとした。  もう2度と逢う事の出来なくなった、大切だった人……。
/235ページ

最初のコメントを投稿しよう!

16人が本棚に入れています
本棚に追加