-序章-

2/2
0人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
太陽も沈み始めた夕暮れ時。 チラリと後ろを見るとまだ追ってきているのが分かった。 「いつまで逃げる!? 待てぇぇぇ!!」 「はぁ……はぁ……」 日の光も少ししか届かない深い森の中で俺は逃げていた。 てかいつまで着いてくるんだよ!? てかそろそろ息がき、きつい……。 俺、アダン=エルヴェスタムはものすごいピンチな状況に置かれていた。 盗賊や魔物に追いかけられるなら、まだマシだ。 だか俺達を追ってきていたのは胸のあたりにある緑と赤の十字マークが印象的な鎧を着た王国軍兵士だ。 「ほらほら♪ もっと早く走らないと。捕まっちゃうよ? がんばろー!」 俺の隣では一人の少女が手を上にかがげて、走りながら俺に笑いながら言ってきた。 なんで息切らしてないんだよ……。こっちは必死だってのに。 そもそも何故俺が王国の兵士に……それもこの少女と共に追いかけられているかを説明をすると長くなるが聞いてあげて欲しい。……いや聞いて下さい。
/15ページ

最初のコメントを投稿しよう!