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第二条
侍たちや役人、さらには百姓に至るまで、誰一人として不自由があってはならない。
すべての人たちの中で、切り捨てていい者など一人としていないのだ。
器量や体格、弁舌や才能が人より勝りしかも文学や学芸にも優れていて、良い武将だと思っていても、こと武道に関しては思いのほか劣っていたりすることもある。
また何事もうまくこなせず、人々から無能だと思われている者が、武道に関して素晴らしい働きをする者もいる。
たとえ半人前の者でも、用い方によっては素晴らしい人材となることも多いので、決して一人も見捨てたりしてはいけない。
その者が役に立つところに派遣して、役に立たないところには派遣しないようにして役立たせる武将こそが、良い武将だと言える。
この者は全く役に立たない無能者だと見限ってしまうことは、大将にとってはあってはいけないことである。
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