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もしそうなれば、城に参上する侍たちは次第に減り、百姓たちも侍たちのように派手を好むようになり、その上侍たちに搾取されているので、家や田畑を捨てて他国に逃亡してしまう。
残った百姓もどうにかなって欲しい、侍たちに思い知らせてやろうとたくらむので、国中がことごとく貧しくなり、大将が抱える軍隊も弱くなってしまうことだろう。
当時の上杉家(扇谷・山内上杉家のこと。派手を好み、風紀が荒んでいた)のようになってしまうだろう。
よくよく心に留めておきなさい。
しかし他人から財を受け取ったり、親戚が少なかったり、また運が強い人もいるだろう。
そういう人は五百貫の俸禄でも六、七百貫の暮らしをしてもいいだろう。
だが流石に千貫の暮らしをすると、大変苦労して覚束なくなるだろう。
ただし、あくまでもこれらも身の程をわきまえた暮らしをするよりは劣るのだということを覚えておきなさい。
無論、貧しいものが真似すれば例のようになってしまうだろう。
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