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「彰…あたしの役目…おわったのかな?
兄さんは、香織さんて言う、人生掛けられる相手を、見つけられて、愛されるだけじゃなくて、愛することを、出来るようになったもの。」
「そうだなぁ…初めてあった時の匠は、箸にも棒にも掛からないやつだったけどな。今は、違うな…確かに…。」
「彰…ありがとう。」
「なんだよ、急に。」
「彰に、出会わなかったら、あたしは、どうなっていたか、わからないよ。
兄さんも、同じ…。」
「礼を言われるほどのことをした覚えは、ないな…。
俺は、自分の幸せ、守りたかったから、全力出しただけだからな。
匠は、ヘナチョコすぎんだよ。」
「あ~あぁ。彰にかかったら、兄さんも形無しね。
ま、仕方ないか…。」
「寒っ…冷えてきた。千秋、マジで、体冷えるとまずいだろ…中、入ろう。」
「うん。そうだね。」
家に入るのと、同時に、雪が、降り始めた。
窓から、ちらちらと降る雪が見える。
「…冷えるはずだ、雪が、降ってきやがった。」
「積もるかな?…朝起きて、真っ白だったら、子供達、びっくりするよ。」
「明日は、みんなで、雪だるまでも、作るかな。」
「彰、子守は、よろしく頼むわね。」
「OK!任された!」
ちびっ子達の喜ぶ顔を、想像しながら、彰と千秋は、見つめ合い、寄り添いながら、リビングに、戻っていった。
嬉しい知らせを、みんなに、するために…。
[fin]
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