首輪。

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「ふ」 和沙が薄く笑う 「そんな難しい顔して、どうした?言いにくいなら嘘を付けば良いのに。…真面目だな」 「真面目っつうか……。お前に嘘を付きたくないと思った」 「…何で?」 ガシガシと短い髪をかいてうー、と唸る そもそもこの距離は何なんだ俺は コイツを連れて来た理由の割に距離がありすぎる シンクにコン!と音を立ててグラスを置いて、ソファーの真ん中に埋まる和沙の元に歩く 隣に座って片手で顎を掴んだ。うわ顎ちっせぇな 「逃がしたくない」 「…今更…逃げねぇよ」 「今の話じゃなくて」 「そうやって男口説くの?良いよ、俺はそう言うのなくても、あんた好みだし、抱かれるよ?」 あ、抱く側、だよね?と訳分からん確認 「抱く側だけども…」 「良かった」 だから違うって。話がズレてる。笑顔すら綺麗だな いや、だから違う 何なんだ俺は。雑念が多すぎる ヤる事が目的だけじゃない関係になりたい。だけどコイツは 今この時だって、俺にセックス以上を求めてない …そりゃそうだ。最初そうやって連れ込んだんだから 息が体から抜ける 全く。失敗した 攻めれば落ちる。誘えば着いて来る。嫌がられた事もない そんな俺だったのに、今日は立て続けに振られてる 猫みたいな男は好きだ。でも、猫らしく中々懐かない そんで気付いた 和泉と和沙 似てる
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