寝不足

2/10
1717人が本棚に入れています
本棚に追加
/343ページ
「和泉ー。ちっと寝かしてくれ」 「お疲れっす。良いすよー」 午後の科学準備室。まぁー寝不足の俺 あまりにも眠くて仮眠を取る為に、ポッカリ空いた時間を使って主の和泉に声を掛ける 和泉の机の右奥には畳一畳がドーンと置かれていて、それに転がった あの年明けから半月程度経って、和泉を飲みに誘ったら物凄ぇ嬉しそうだった そんで何事もなかったように居酒屋でバカな話して大笑いして、二件目ではもう二人でベロベロに酔っ払った 邪な気分、にならなくもなかったけど、この関係はもう壊せない。そのくらいの分別は俺にもあったって事かねぇ 薄ら寒い準備室は俺も気に入っていて、眠くて堪らねぇけど和泉と何となく話もしたい 「寝不足すか?」 「そー。ちょっと聞いてくんねー?」 「何々?ハゲ移動?」 「アイツは岩のように移動はしねぇさ」 「痴漢で離職出来るように小林先生、誘惑して下さいよ」 「…どの辺を責めたらいいんだ…」 「………何て良い艶…!」 「ぶ!はははは!その輝きは俺のただ一人の光…ひっひひひひ」 「つって、ね?」 「ね?じゃねーし」 相変わらず面白い奴だ ささくれ立った心が落ち着く。まじで付き合うならこう言うタイプが好きなんだけどな …何でアイツがあんなに気になるのかねぇ 「で?」 「あ?」
/343ページ

最初のコメントを投稿しよう!