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適当なホテルを、と思ったけど、今日に限っちゃ空いてねぇだろうな…
しばし考えて、案を切り出す
「ウチ来るか?」
「ん?」
「お前が病気持ちでなくて、犯罪者でなくて、泥棒じゃないなら」
俺の言葉に男はハハ!と笑う
あ、そう言えば
「名前聞いてなかった」
「名前も知らないまんまよく自宅に招いたね」
「実はそこまで疑ってもない」
何か考えたような顔をした後、男はありがと、と呟いた
「俺ね、伊藤和沙」
「かずさ?」
「女の子みたいで可愛いでしょ」
「…可愛い名前なら負けねえぞ」
「えー?」
「小林真緒っつーの」
「まお…綺麗な名前」
あり、似合わねぇとか、笑ったりしねぇの
「和沙」
「何?」
「こっち、おいで」
軽く目を見開いてから、歩き出した俺に着いて来た
イチイチ驚いてて、変わった奴
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