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すごい。
目の前に、AAAがいる。
ライブの時より、近い。
「…だっちゃ、…っ」
メンバーの名前を呼ぼうとした瞬間。
どっと涙が押し寄せてきた。
どうして涙が出るのかは、分からない。
感動なのか、歓喜のせいなのか。
「…っ…だっ、…ちゃん…っ」
口元を抑えても嗚咽はこぼれてしまう。
あぁ、こんなんじゃ…
だめだ――――――――――…。
「泣くなよ」
耳元の、すぐそばで。
聞こえた。
あなたの…優しい声。
信じられなくて、涙で濡れた顔をあげる。
すると、待っていたとばかりに視界に映った。
追いかけていた、あなたの姿。
「…だっちゃん…?」
隣にいる友達も、ファンのみんなも、フードを被っただっちゃんには気付いていない。
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