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父さんが誕生日プレゼントに買ってくれた電子時計のアラームで目を覚ますと、ゆっくりとベッドから起き上がり三回ほど大きく背伸びをする。三回するのはなんかのTVで朝起きてすぐに背伸びすると身長が伸びるってやってたから。もう一年以上もやってるけど効果があるのかどうかは分からない
「6:32分……仕度するか」
カーテンを開いて窓を開け空気の入れ換えをする。新鮮な空気と太陽の射す光がまぶしい…洗面所に向かい顔を洗ってから髪の寝癖を直す。ティシャツにジーパンというラフな格好に着替えて冷蔵庫の中にある牛乳をコップに注ぐとそれを一気に飲み干した
家の鍵をしっかりと閉めたのを確認すると自転車に乗りある場所へと向かう
「あれから一年経つのか…」
ヒーローマンと呼ばれる奴らが使う能力(スキル)そいつらの争い【正義の戦争】から一年……
俺の両親はその戦争に巻き込まれて死んだ。憎しみとか悲しみとか当時色んなものが俺を苦しめたけど、それをどこにぶつければいいのかも分からなかった
枯れた花を持ってきたビニール袋に入れて新しい花と取り替える。バケツに入れた水をすくって墓石にかけ丁寧に布で拭く
「父さん母さん…俺はこの不条理の世界が許せないよ。なんで父さんが死ななきゃならなかったの?なんで母さんが死ななきゃならなかったの?なんで俺だけが助かったの?これから俺はどうすればいいの?……この1年間ずっと考えてきたけど分かんないよ」
いろんな気持ちが要り混ざって気づいたら涙で溢れてた。
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