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「ー、……あれっ?」
「あれれっ?」
古い本をめくった直後の母親の声を真似たその子供は本に顔を近付けました。
埃っぽい本のせいか、少し咳をしてから その女の子は目を丸くしてー、
「ページがなぁいっ?」
「ほんとねぇ、破られてるわ…」
女の子の言う通りー、
その古びた本のページは豪快に破られた後があって、当然 破られた部分はありません。
「これじゃぁ、続きを読むことはできないわねぇ
別の本を読もうか」
「え~~~」
と不満気な声をあげる我が子に構わず、その母親はボロボロの本を きちんと取り出した場所に戻しました。
「さっき これとどちらにしようか迷っていたもう一冊の方を読もっか」
「……うんっ」
まだ少し納得のいかない女の子は母親に手を引かれながら
何度も ちらちらと古い本が置かれた棚を見て、やがて去って行きました……。
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