AVALON(c) 白羽の妖精

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とフェアリー3、自分の言ったものと一致する戦場を検索しながら。右肘を円卓に付き、右手の頬を右手で押さえて検索。 フェアリー4が反論し 「確実な攻めがいいんじゃない?経験値だってそろそろ欲しい頃だ。」 「お前の言いたいことはよくわかる。ただ、そろそろ楽しい戦闘もしたくなってきたところだろう?」 とフェアリー5が言うと皆賛成した。フェアリー4もさっきと打って変わって1番楽しそうに喜んだ。流石は<盗賊>、尻が軽い。 「分かった。NU50、ああ<潰れた町>か。ここがいいんじゃない?」 と私が提案、皆の前にNU50の詳細データを表示するウィンドウを出してあげる。 ここはおおよそ4:6の割合で敵であるマゾエが弱い。そして4:6とは言ってもそれは参加人数比のみでしかも大まか。 詳しく表示してみると人数は10人ほどしか変わらず、まさしく5分5分だった。 「決まりだな。リーダー、ログインしよう!」 フェアリー2がそう言い私はログインコマンドを入力、視界が中心から波紋のように歪み、変化し、広がる。 モザイクが晴れると目の前に出撃ラインが現れた。マップがやや遅れて表示。 砂漠に囲まれ、廃れた町の外れ。それは生命の本来あるべき姿を映し出したかのような虚しい情景だった。砂嵐が滑稽に踊り、住人達の生活感が感じられない戦場。しかし空だけは濁ることなく夕日に照らされていた。 周りに次々とグリトネア兵士がロードされ、最終的に120人まで増えていった。 瞬間、周りがざわつく。  ―おい…あいつ…―                  ―円卓の騎士じゃねえか―       ―なんであいつが…―             ―すっげえ…― 私のことではない。何故なら私はこの国のほとんどと顔なじみだし、知らない人がいても1人か2人くらいだろう。 しかし今はほとんどの兵士が驚いている。つまり他国、モルガンの派遣だ。 周りを見渡し、見慣れない顔を捜す…いた。 「リーダー…あれ…」 フェアリー2もほぼ同時に発見、震えていた。私も動揺が隠せなかった。 「ああ、彼は間違いなく<竜の双剣>。円卓の騎士の1人だ。」 竜の双剣…円卓の騎士の1人。彼の戦いは他の者の戦い方と大きく異なる。 右手にCz-75、左手にM11の2丁使い。これだけならただのかっこつけだ。 まず左手のM11は32連の大型マガジン、その予備弾倉はなんと7つもあり、左腰からまるで日本刀の鞘のようにぶら下げている。
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