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このM11で敵に乱射、これは本命ではなくただ単に敵を追い込むためのもの。そして右手のCz-75で止めを刺す。
「極め付けがこう。」
と続ける。
「Avalon(f) クラスA マダラ
彼が現れるまでマダラを倒したのは伝説のチーム<アサルトガールズ>のみ。
彼女達は巧みな連携と個人の能力を最大限に活かし20口径の大型対物狙撃銃を使い倒したと言われているわね。
だけど、竜の双剣は5分もかからず倒してしまったらしいの。」
フェアリー2以外の関係ない兵士達も驚く。
「…どうやって?」
とフェアリー3、呆気にとられている様子だった。
「マダラは分類上スナクジラと同じ種族よ。だから基本的には弱点は同じ部位にある。
スナクジラの弱点の1つ知ってる?耳に当たる部分に排砂口があるの。そこの中に銃弾を入れればほぼ即死状態になる。
だけど排砂溝は後ろ向きに開くし、開くのも砂を出た瞬間のほんの2~3秒くらい。
マダラなんて150~200mもあるんだからそこを狙うこと自体が自殺行為なの。
だけど運が良くてその砂に巻き込まれずに済んだんじゃない?
ただマダラを拳銃と短機関銃で殺ったなんてここ以外考えられないの。」
誰もが黙りこくってしまった。銃身下を左手で触れ、現場の空気にためらった後、また続ける。
「でもバグを利用しただけかもしれない。あとは行動パターンを読んだとか。
1見、複雑怪奇に見えても所詮はプログラム、単純が幾重にも折り重なっているのが複雑だから解析しただけかもね。
バグだってこんなに複雑なプログラムだからデバックしきれていないと考えられるのは当然でしょう?
いずれにしても彼の洞察力は並大抵じゃない。
でも気にしすぎるのもゲームに響くからやめな。」
敵でなくてよかったね。と、フェアリー3の肩を左手で軽く叩く。
次第に竜の双剣への恐れが安心に変わっていく。士気がぐんぐん上がる。
皆、精神が高揚し銃を天に向けて掲げ、雄叫び、乱射。弾がもったいない。
私は端でFALの手入れをする準備に入った。軽くマガジンをチェックしたりしたら暇な時間ができてしまった。騒ぎに入ることなどプライドに反するので、フォールディングストックを左手で撫でる。
出撃時間になった。
先ほどまで騒ぎがアンプの電源を消したかのように1瞬で消え、各々のすべき事に集中。
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