AVALON(c) 白羽の妖精

2/27
前へ
/27ページ
次へ
1―ZERO SIGNAL or ONE KILLING―  1と0の狭間で、私は深く浅い眠りから開放された。  目を開く。周りで荒いポリゴンに包まれた仲間が現れ、見事に人型に削りだされていく。  色あせたポリゴン片を空に弾けさせ人型のデータが二桁、いや三桁単位で現れた。  誰かの勇ましい掛け声と同時に雪崩の如く人が走り出す。私はその中で愛銃<FAL>を構えていた。  天も地も、地平線までも判らない影の無い空間をひた走る。  1m四方の正方形に地が分かれ、垂直方向に構造体が伸びる。個々によって高さが違う。奥へ行くに連れ高度が上がっていくのでまるで階段のようだ。  瞬時に細かく分かれデータ生成開始、美しい丘が現れる。  無駄なポリゴンは数字を纏いながら空気と同化した。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加