AVALON(c) 白羽の妖精

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 右目は既に敵を捉えている。目標をサイトの中心へ入れるほんの少し前に人差し指が自動的に引き金を引く。  強烈な反動が肩をまるごと覆い、少しよろけてしまった。ちょっぴり長く撃ちすぎたようだ。  左目はその被害者を捉えたまま、その被害者は後方へ吹き飛び地面に着くのを待たずに二次元化処理され消去された。ポリゴン片が地に跳ね返るが少しすると消えてしまう。  四回繰り返し、三人をポリゴンへ帰す。そして立ち上がり、残り少ない弾倉を惜しまずタクティカルリロードした。 「こちらフェアリー、右翼クリア。」 『OK、右翼へ突っ走れ!!』  私の言葉の終了と同時か少し早いくらいのところでキングビショップがグリトネア全体へ指示、多勢が一気に右側へ雪崩れ込む。私は敵を撃ち味方を支援。  しかし敵はこの地形に侵入したときと同じ稲妻をちらほらと出現させその中へ消えていった。空には <MISSION COMPLEATED>  と大きく、ノイズが混じった文字が浮かんでいる。どうやら敵は撤退したようだ。  ビデオの巻き戻しボタンを押したように戦場は直方体になり高度0まで下降、そしてまた地平線も何もない空間に戻った。  その後また正方形が上下、中世の城内を模した広く、優雅な空間へ変わった。 「フェアリー、助かったよ。流石は<円卓の騎士>の一人だな。」  <円卓の騎士>とはかの有名なアーサー王伝説でアーサー王に仕えたとされる騎士軍団のことだ。  アーサー王が騎士達を上座、下座という概念を無くすべく全てが平等な円卓に騎士達を座らせたことから<円卓の騎士>と呼ばれていたらしい。  しかし、このAVALON(c)ではその国がどのような状況でも危機から脱出できるような戦力を個人で有する非常に稀有な存在の兵士を敬意をこめそう呼ぶ。  本場のように誰もがそう呼ばれることは無い。  そして<円卓の騎士>だからと言って九姉妹から武器や経験地、回線などの優遇を受けられるわけではない。  何故なら称号というものはAVALONには存在しない。これはプレイヤー達が自主的に始めたものなのだ。  単なる称号、と捉えてもよい。しかし<円卓の騎士>と呼ばれるまでは多大な時間と個人の技術が求めるれるし、国内外問わず多くの名声を得られるので、AVALON(c)では誰でも一度は憧れるものだ。  そして私も<円卓の騎士>の一人。
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