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「チームが良いだけ。本当やりやすいし技能もある。私がたまたまリーダーだったから。
<白羽の妖精>じゃあない、あえて言うなら<羽無の妖精>よ。」
<白羽の妖精>とは円卓の騎士一人一人につけられる通り名の私のこと。
名前の由来は……勝手につけられたから詳しくは判らないがフェアリーと言う名のチームのリーダーであることと私の服装が純白の甲冑風の装甲に、これまた純白の軍用コートを羽織っていることかららしい。
FALを背に背負い、右足が上に来るように足を交差、同時に背を豪華な装飾品で飾られた壁面にもたれかけさせる。
「……んでギャラは? 皆待ちわびてる。」
左手の親指をグリトネア国の連中に向けて2回左右に振る。
「ああ、すまない。妖精との対話に胸が躍ったものでな。じゃあお待ちかねの精算をしようか。」
とキングビショップ、続けて彼が筋肉の振動や瞬き、心臓の鼓動までも完全に静止。写真のようだ。
二、三秒後にメールボックスに新着メールが一通届いた。頭のなかでメールアイコンが点滅し、簡単な効果音がした。
それをこの空間へダウンロード、手元に小さい小さい正方形が大量に結合され、手紙となり、ひらひらと手元まで落ちていった。
<ベルクト殿 第三二次戦場<44R>攻防戦における報酬
分等ー1700+特別支給ー600
計2300pt>
2300ポイントか。他AVALONじゃあアクセス料と消費した武器その他代すら払えないような金額だがAVALON(c)では高額中の高額、とても良いほう。
AVALON(c)では国全体に報酬としてptが割り当てられる。ptは他のAVALONには経験値としての役割があるのだがここではプレイヤーのレベルは七に限定される。なので経験値としての使用手段はない。
その割り当てから自由に取り放題……っていうわけにもいかないからキングビショップなどのリーダー的存在が不公平にならないように分ける。
どのAVALONでも何故か経験値は取得した団体、もしくは個人の勝手とされるのでこのように指導者が管理することが暗黙のルールになっていった。
仮にこの掟をやぶろうものならたちまちAVALONでも現実でもリンチにあって半殺しにされるだろう。
人生訓のように思われるかもしれないが、このようにどんな面でも自分の国全員と信頼を築かねば、高度なチームプレイは成立しないのである。
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