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私は2時間ほどテレビを観てから外に出て天の川橋に歩いて向かった。
5分前には無事着いて、それらしい人がいないか橋の周辺を見回す。
いつもなら遅刻の小学生やらが慌てて走っていたりするころだけど、今は誰も居ない。
そうこうしている間に9時になり、期待に胸を膨らませて橋の真ん中に向かい、彦星様が通りかかるのを待った。
どこかで見たことのある自動車が目の前で停まった。
一瞬彦星様かな?と思ったけど、顔を出したのはお父さんだった。
出勤の途中なのだろう。
「こんなところで何しているんだ? ……そうか、あの言い伝えか。お前も彼氏が欲しい年頃になったんだな」
お父さんはそう言って微笑みながら自動車を発進させて通り過ぎていった。
私はお母さんが初めて出会った頃のお父さんはどんな感じだったのだろうと思った。
そうこうしている間に腕時計を見ると、30分が過ぎている。
どうやら時間を間違えてしまったようだ。
私はとぼとぼと来た道を戻った。
また1年間待つしかないなんて悲しい。
今年の七夕END
待ち回数+1。
回数をどこかにメモしておいてください。
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