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「ご挨拶だね」
「・・・」
目の前には薄い茶髪がかったまだ若い少年。
「まあ仕方ないさ、箱には何も見当たらないんだから、でもそれを悲観してはいけない」
まさに吐き捨てるようにそう言うと彼はいなくなっていた。
今日も、明日も、とりあえず過ごしていくのだから。時計を見る、数分ズレた時計は昼時を刺している。多分、数分どころではないだろうが。
帰ろう。家では愛しいお酒と流行に乗って買ったつまらない音楽が待っているのだから、それと、睡眠薬。
睡眠薬と酒をいつから始めたのか、それは医師が「危篤です」状態なのだろう。冷めた、言い慣れた、というような目をした医師の。
自分は、危篤なのだから。
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