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ただの物語。
一人の少年が描いた。
そう『イマジンワールド』。
魔法科学の世界である『イマジンワールド』なら魔法という言葉も分かる。
在っても不思議では無い。いや、在るのが自然な世界を作ったのだ。
誰でもない、ここにいる狩璃が。
その作った本人がその物語の中に居るなんて事はある筈もないのだ。
狩璃は深呼吸して落ち着こうとする。
今の状況を確認する為に。
狩璃が少し考え事をしていた為、暫く無言が続く。
「あの…何で貴方は森で倒れていたんですか…?」
妹が兄と同じ事を聞いている。
(兄妹そろって同じ事を聞かれてもな…いや、情報が欲しいな。ここが『イマジンワールド』で在る筈が無いが、それを確かめる為の情報が…)
狩璃は考えるのを止めない。
止められない。
あまりにも情報が少なすぎるから、考える事を止められない。
「分かりません。それよりもここは何処ですか?」
狩璃は聞く、自分が一番疑問に思った事を聞く。
「ここはファルシア国王の領土の中…、南東に位置する『ゼルファム』という町ですけど…」
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