第一話『異世界』

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何故なら、この世界には漢字の性は存在しない。 日本名ではおかしいのだ。 狩璃は少し考える。 が、あまり長く考えるのも不自然。 「シュリ…」 そう言ったシュリの声はあまりにも小さい。 「え…、何です?」 リルがそう聞き返すのも無理は無い。 「シュリ…。シュリ・イ…」 「シュリーさん?」 入江と言おうとしたが言えず、リルに聞き返されてしまう。 「シュリ・イ…イレイズ。シュリ・イレイズ」 シュリは咄嗟にイレイズと言う性を自分につけた。 もう既にここが『イマジンワールド』の中と考えて答えたが、本当にそうだったのかと少し不安になる。 「シュリ・イレイズさん…シュリさんって呼んでも…」 そこまで言えばシュリにも言いたい事は分かる。 「別に構いません」 その言葉を聞いて、リルは笑顔になる。 何故か。シュリが少し笑ったのだ。
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