第一話『異世界』

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そう、シュリも少し緊張が解れ、笑みがこぼれていた。 その理由は色々と考えられる。 自分の嘘、偽名で何も不審に思われなかったから。 本当に自分の事を知らずに、助けてもらったと言うことになる。 それは凄く安心出来る。 そして、不安もある。 ここが、この世界が、現実じゃないと言う可能性。 『イマジンワールド』で在ると言う可能性が大きく、大きく成ってしまったから。 どれだけの静寂が続いただろう。 人の足音が聞こえる。 それもかなり急いでこちらに向かって来ている。 扉の所に顔が見えた。 リルの兄、ギル・ファイラだ。 「ああ、リル。軍からの緊急招集だ。早く行こう…えっと貴方は…」 ギルがかなり焦っているのを感じた、シュリは 「シュリです。シュリ・イレイズ。良かったら状況を教えて下さい。何か力になれるかも知れない」 シュリはこの世界に積極的に関わると決断した。 (ここがまだ、あの悲劇の起こってない時代なら、この二人は死なせたくない…) シュリはこの二人の事は知らない。
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