第一話『異世界』

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自身のシナリオで作った覚えも無い。 なのに、この二人が軍人ならば、自分が何もしなければ、『死ぬ』と言う事は知っている。 「これから私たちが行くのは戦場ですよ…何も知らない素人に話せる事は在りません」 ギルは強く言い放つ。 当たり前だ。 二人は軍人なのだ。 それも士官。 素人を巻き込める筈が無い。 「素人だとしても出来る事は在る。正直言ったらどうです?得体の知れない者に情報は与えたくない、と?」 シュリの口調が変わる。 シュリもそれだけ必死なのだ。 自分を助けてくれた二人を死なせない為に。 だから、自分が使える事を示す。 「分かっているなら…」 「分かっていて、尚で言っている!」 ギルの反論をシュリは言わせない。 ギルは考える。 素人を巻き込むのは不味い。 それに得体も知れない。
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