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「言いがかりもいいとこだな、俺はただ絡まれているところを助けただけ…」
「うるせぇ!てめぇは殺す。絶対に殺す」
ボスが叫び、周りの男たちが狩璃に一斉に飛びかかった。
誰もが多勢に無勢と思うだろう。しかし結果は違った。
それは刹那。何をしたのかも見えないままに男たちは倒れ込んだ。
狩璃の手には少し力を加えれば折れてしまいそうな細く長い木の枝が握られていた。
「な…に…」
ボスは呆然と立ち尽くしている。
「もう良いか?くだらない」
狩璃はそのまま立ち去った。
ボスはその姿を追おうとはせず。
いや、あまりの力の差に追えなかったのかも知れない。
「あんな細い枝で男を倒したのか…折りもせずに…」
そのまま狩璃は帰宅し、自身の小説の創作に取りかかった。
作業に取り掛かって三時間、夕刻の帰宅よりやり続けたため、もう既に七時を回っている。
「さて、今日はこれくらいにして飯にでもするか」
狩璃は軽く飯を作り、ニュースを見ながら食べていた。
狩璃の両親は、今はこの家にはいない。
少し離れた別宅に住んでいる。と言うのも、元々この家は昔住んでいた家で、都会の中でも周りが緑に囲まれていた為、別荘として置いていた物を狩璃が高校に行く為に利用しているのだ。
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