プロローグ

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「そういえば今日はこの物語を作り出してちょうど一年か…詳細の設定は決まって来ているが、ストーリーが進まないのは考え物だな…」 そう、狩璃の考えている『イマジンワールド』設定は決まり続けているのに、ストーリーが止まってしまっている。 その理由は狩璃が矛盾を無くす為に頑張れば、頑張るほど止まる。 それは仕方ない事だ。ありもしない世界をその世界の【理】ごと作ろうとしているのだから。 「一周年を機に何か思いついてくれれば良いんだが…。それも無理な話か…」 何せ思いつかなければ成らないのは自分自身なのだから。そんな他力本願では何も解決しない事は狩璃自身も良く分かっている。だが今現在決まっているストーリーより先は幾ら思いついても何か不思議な力に否定されている気がして、どうしてもシナリオとして決定でき無かった。 もう物語が止まって、一ヶ月以上が経っている。 それに狩璃は悩んでいた。自身が詳細ばかり気にしているから、シナリオを疎かにしているのでは無いか?自身が思いついたストーリーの中に最も良い物があり、それをその時の単なる思いつきで却下してしまったのでは無いか?考えても答えは見えない…。 見える筈もない。見えているなら、その答えに向かえるのだから。 狩璃は悩む。現在進行中のシナリオより過去の歴史が決まり続ける事を…。 狩璃は悩む。詳細を決め続ける性でこれまでよりも一層、ストーリーが決めにくくなるのでは無いかと…。 「今日はもう終わりにしよう」 そう呟くと、伸びをした後、風呂に向かった。
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