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入江狩璃は目を覚ました。
見知らぬ場所で。
そこは家ではある物の決して自分の家では無い。
作りは中世ヨーロッパをイメージさせる物がある。
何にせよ狩璃の知らない場所で有る事に変わりは無かった。
「どこだ?ここは…」
(何故、こんな場所に居る?俺は確かに自分の家のベッドで寝てた筈…)
狩璃は困惑する。ここが何処かも分からなければ、ここに居る理由も分からない。
そんな状態で戸惑わない人間など居るはずもない。
(まずは状況の確認が必要か…ここが何処で、誰の家かを知らないとな)
狩璃は誰の物だか分からないベッドから上半身を起こし、辺りを見回す。
ベッドの傍に在る窓から外の景色が見える。その景色を見たところで何処かは全く分からない。逆に外を見た事に寄ってより困惑する。
そこは狩璃が住んでいた日本、東京には見えなかった。
(俺はいったい何処に居る…?)
そこまで考えたところで部屋の外、おそらくは廊下から扉の方に向かって足音が少しずつ大きくなって聞こえてくる。
狩璃は体を強張らせる。相手の意図が分からない以上隙を少しでも少なくする為に。
扉が開く、碧髪の青年。歳は狩璃より少し上だろう。その服は軍服に見えるが少しカジュアル感が残っている。
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