第一話『異世界』

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「おや、もう起きてらしたんですね?良かった気がついて」 青年に安堵の表情が浮かぶ。 「ここは何処ですか?」 狩璃は少し戸惑いながらも、思い切って聞いてみた。 「失礼しました。ここは私、ギル・ファイラの家です。森で倒れていた所を私の妹が見つけここまで運んできた、と言うわけです」 狩璃には訳が分からなかった。 家で寝ていた筈が森で倒れていた? それにここは日本ですら無いのか? (いや、それにしてはおかしい) そう、狩璃は日本語を喋っていた。 そしてギルも。 少なくとも、狩璃には日本語に聞こえた。 (何処なんだ、ここは?) 狩璃は分からない事が多くなる。 狩璃は考える。 狩璃は考える。 自分の全ての知識と常識を持って考え込む。 「貴方は何故、森で倒れていたんですか?」 少しの静寂を破ったのはギルだった。
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