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「おや、もう起きてらしたんですね?良かった気がついて」
青年に安堵の表情が浮かぶ。
「ここは何処ですか?」
狩璃は少し戸惑いながらも、思い切って聞いてみた。
「失礼しました。ここは私、ギル・ファイラの家です。森で倒れていた所を私の妹が見つけここまで運んできた、と言うわけです」
狩璃には訳が分からなかった。
家で寝ていた筈が森で倒れていた?
それにここは日本ですら無いのか?
(いや、それにしてはおかしい)
そう、狩璃は日本語を喋っていた。
そしてギルも。
少なくとも、狩璃には日本語に聞こえた。
(何処なんだ、ここは?)
狩璃は分からない事が多くなる。
狩璃は考える。
狩璃は考える。
自分の全ての知識と常識を持って考え込む。
「貴方は何故、森で倒れていたんですか?」
少しの静寂を破ったのはギルだった。
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