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「眠らせて……?
貴方はいったい……」
女性の問いに、青年は緩やかに笑みを浮かべた。
「知らなくて良いことまで知りたがるのは人の子の悪い癖だね。
君達は僕の何を知ろうと、理解は出来ないだろうに……。
それに、君達はここでその命を断つ気でいる……違う?」
「何故、それを?」
「そんな事はどうでもいいことさ。
今、君達に大事なのは……今、ここで死んだところで、再生の女神が滅んだこの世で、君達が再び出会うことはないってことだよ」
青年と真っ直ぐ向き合っていた男性はきつく眉を寄せていたが、ふっと諦めたかのように小さく息をもらすと女性を強く抱き寄せる。
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