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~夕方 帰り道~
キョン「結局今日はみんな用事があるとかで、俺とハルヒしか来なかったな」
キョン「おかげでやることがありゃしない。俺は毎日何しに部室へ行ってたんだっけ?」
ガッ!
キョン「おわ! とっとっと!」ビターン
キョン「いってぇ……何かが足に引っかかって……紐? 電柱と電柱の間に紐が……」
谷口「わっはっは! 引っかかったなキョン!」
キョン「谷口! これはお前の仕業か!」
国木田「あーあ、見事に転んじゃったね、キョン」
キョン「国木田まで……」
谷口「くっくっく、あんな単純な仕掛けに引っかかるとはな。いやー、面白いもんが見れた」
キョン「お前なぁ……くだらんイタズラしやがって……」
国木田「大丈夫、キョン?」
キョン「お前もこんな馬鹿のやることに付き合うなよ……」
国木田「僕は止めたんだけど、谷口が無理矢理……」
キョン「ったく、どいつもこいつも」
谷口「そう怒るなよ。友達だろ? 今度何か奢るからさ」
キョン「なーにが友達だ。いけしゃあしゃあと」
『こんな馬鹿な友達はいらねえな。2人とも捨ててしまおう』
キョン「な!!」
キョン(聞こえた! 確かに聞こえた! 空耳なんかじゃない、ハッキリと聞こえた!)
キョン(何なんだ! 何なんだよこれ!?)
谷口「おーい、どうしたんだ? 急に黙り込んで」
キョン「あ、いや、何でもない! じゃあ俺は帰るから!」ダダダッ
谷口「あ、おい! 何だぁあいつ?」
~キョン家 キョンの部屋~
キョン(あの声は空耳なんかじゃなかった。しかも、どうやら俺にしか聞こえていないらしい)
キョン(何と言うか、頭の中に直接響いてくるというか……それにもっと気になるのが……)
キョン(響いてきた声が……どこかで聞いたことがある声なんだよな。うーん、誰だったか……)
キョン(あの声は何と言ってた? 確か誰かを捨てるとか言ってたような……)
母「晩御飯できたわよー。下りてらっしゃい」
キョン「ああ、今行くー」
キョン(気になる。とりあえずメシ食ってじっくり考えてみるか)
キョン「ああ腹減った。あれ?」
父「どうした?」
キョン「何で食事が3人分? あいつのは?」
母「あいつって誰よ?」
キョン「妹のだよ。今日はどっか泊まりにでも行ってるとか?」
母「何を寝ぼけたこと言ってるの。あんたに妹なんていないでしょ?」
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