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体は寒さで小刻みに震えている。
藤「しっかし、変わった着物だな。
こりゃ、この真冬にはキツいな…。」
少女が着ていた服は、所々解(ほつ)れたり、破れたりした白い長袖のワンピース。
そう。倒れていた少女とは、あの爆発に巻き込まれた筈のアルカだった。
青A「変わった着物だし、一応めんどくさいけど゛土方゛さんに報告したほうがいいね。」
ヒョコッと顔を出す青年Aに、藤堂は「総司。」と名前をこぼす。
そして暫く考えた後、静かにアルカに歩み寄り横にして抱き上げる。
所謂、姫だっこである。
そして、アルカのあまりの軽さに驚く藤堂。
藤「うわっ!? かる!!!!」
藤堂があまりの軽さに驚いていると、青年A─沖田総司が口をはさんだ。
沖「平助、早く行くよ?
僕は、早く暖かいとこに行きたいんだから。」
平助を横目で見ていた沖田は、フイッ…と視線を前に向けスタスタと歩いて行ってしまう。
そんな沖田に、藤堂は慌てて「待てよー!」と声をかけながら追いかける。
そのあとを隊士が続く。
そうして、アルカの新しい人生が幕を開けたのだった。
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