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深緑
「……うっ…ん…」
枕元に投げ出された携帯で時間を確認する
「まだ…5時じゃん…」
もう少し眠ろうと目を閉じるも…眠れない
ベット上でゴロゴロしてみるも
えいっ!
掛け声と共に起き上がりリビングに向かう
コーヒーをセットして、バスルームに
スッキリした頭で昨日の出来事を思い出し考えてみる
10年近く、身体の関係もあったけれど大事な友人だった啓治を失った
恋愛は築けなかったけど、無条件で手放すほど傷付かなかった訳じゃない
自分で思っていたほどショックだった
もっと違うように出来なかったのか
それも私のエゴか…
コーヒーと煙草が精神安定剤のように、ゆっくり身体を廻っていく
取りあえず、掃除と洗濯しなきゃ
1日の貴重な休みを潰す訳にはいかない
それから…
予定を思いついてバタバタ動き始める
私の小さな世界は動き出したんだ
ほんの小さなモノだけれど、何かが変わっていくのを感じた
この胸の高揚も気のせいじゃない
せつなさも愛しさに染まっていく
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