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9時には駅前のレンタカーショップにいた
白のハイブリッドカーに決め喫煙車を希望する
免許証を提示し書類の記入欄を埋めていき
簡単に説明を受けて鍵を受け取った
乗り込んでエンジンをかけて驚いた
噂には聞いていたがこんなに静かなんだ
いつも乗ってきた車達はスポーツタイプで、響くようなエンジン音で
だからなのか気持ちが沸き立つような感覚すら覚えた
普段と違う静寂さが少し物足りない気もしたけれど、走り慣れてくるとそれはそれで快適だった
海辺のバイパスを通り過ぎり、確かこの辺を右折だったような…
住宅街の中を走りながら記憶を探りよせ、道に迷いながらも目的地が見えてきた
カーナビを使えばもっと早く着けたんだろうが、店の名前も目印らしいのも分からなくて
ブレーキに足をかけた時にシルバーの車が駐車場に収まっているのが目に入る
ズキンと拡がる痛みにアクセルを踏み込んで通り過ぎてしまった
どうしよう…
戻る余裕なんかなかった
海沿いの道路にぶつかり、右折する
目的地なんてなくただ落ち着くように車を走らせた
10分近く走らせた所で遊歩道の看板が目に付き、それに導かれるようにコースを変えた
登り坂を進んで行くと森林のアーチになっていて、木漏れ日が気持ちいい
広い駐車場に見つけスピードを緩め空いているスペースに停車させる
天気が良いせいか家族連れの姿が多い
ツーリングをしているのかバイクも何台も停まっていて、その集団が煙草を吸いながら話しをしていた
「美咲さん?」
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