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「織姫猫と、彦星猫?」
「はい。織姫猫の方がいなくなってしまい、彦星猫は倒れてしまった模様です」
リストは、俺にそう話した。
全部の話を俺なりに考えると、こんな感じだ。
とある神社にいる2匹の猫の内、片方がいなくなってしまったので、殺される前に取り敢えず探してみれば良い。
と、言う事だと思う。
「でも猫なんだろ? そこら辺にいる猫で誤魔化せば良いんじゃないか?」
「美智さん……」
俺の素晴らしい提案に、リストはダメと言っているみたいにため息をついた。
「……実はですね。その2匹、最初に会わせた人は願い事を叶えてもらえる権利があると言うでんせ」
「それはホントか!?」
俺は慌てて立ち上がる。願い事を叶えてもらえるなんて大切な事、何で後回しにするんだよリスト。そっちを先に言ってほしかった。
「そこにばかり気を取られて僕の話を」
「リスト!! 絵か絵か絵を見せて!!」
「絵か写真か映像ですよね。写真ならあ」
「これか!!」
リストが言っている事を全部遮って、俺はその猫、いや織姫猫の写真を見た。
そう言えばこれ、ある洞窟で見かけた気がする。
「リスト!! 俺行ってくる!!」
「ちょっと、美智さん!? まだ話は終わって……ダメですね」
リストが何か言っていたけど、別に気にしなくて良いか。
そう思って、俺は早速あの洞窟に向かう事にした。
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