2人が本棚に入れています
本棚に追加
「おーい、何やってんだよ?」
面倒になって草むらを片っ端から斬っていたら、俺の仲間、クレイジーがやってきた。
「猫探してんだよ。ちょっと変わった猫」
「……俺には、お前が草むら斬ってるようにしか見えねぇんだけどよ」
「だって、猫を探すなら草をなくしながら見るのが基本なんだろ?」
「そんな滅茶苦茶な基本は何処にもねぇよ」
クレイジーは呆れながら言った。何で呆れていたかは分からないけど。
「近くに洞窟あるんだからよ、先にそっち見てみようぜ」
「猫って洞窟に入るのか?」
「雨宿りとか気紛れとか、色々あるだろが」
「へぇ」
言われてみれば、昨日はどしゃ降りの雨だった。いつからいなくなったか、そこはリストから聞いてないけど、昨日の雨宿りはしていそうだな。
「じゃあ見てみるか。何かいそうだし」
「……にしてもよ、そんなに価値あるのかよ? たかが猫に」
「それがさ、ちょっと色々な猫でさ。その猫見つけて倒れてる猫に連れてくと願い事を叶えてくれるってさ」
「……1から説明してくれねぇか?」
困った顔して、クレイジーはそう言った。1からは、最初からと言う意味だったかな。
そう思いながら、俺は覚えている事を話してみた。
「……お前の纏めると、そいつに求愛してる猫が家出して、捕まえて家にぶん投げると願いを叶えてもらえるって事になるんだけどよ?」
「うん、多分それ」
「……美智、お前はリストの話ちゃんと聞いてねぇだろ。ぶん投げるとか明らかに違うって」
最初のコメントを投稿しよう!