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奥に辿り着くと、沢山の瓦礫が散乱していた。
「これは、一体何だよ?」
「誰かが戦ってたみてぇだな。にしても、これじゃ猫がやって来てたとしてもお陀仏だろうな」
「オダブツ?」
「死んでる、って意味だぜ。まぁ、最初から来てなかったとも考えられるけどな」
沢山の瓦礫。これをどけたら、もしかしたら生きている状態で見つかるかもしれないけど。
「……じゃあ、帰ろうか」
「そうだな。そもそも猫にお願いする程のモノでもねぇし」
俺の願い事はどちらも、俺達が叶えれば良いだけだ。猫に叶えてもらえるとしても、探している時間があるなら奈都美と一緒にいた方が良いに決まっている。
今日、それが分かった気がする。
「帰ったら晩飯、何にするか?」
「グラタンにしようよ!! 奈都美もきっと喜ぶよ!!」
グラタン食べて、皆の喜ぶ顔が浮かんだ。
「お前、グラタンとか作れるのか?」
「包丁でミスるクレイジーよりはキレイに出来るよ」
「何だと!? もう1回言ってみやがれ!!」
「だから、クレイジーよりは良いのが出来るって言ったんだよ!!」
言わせておけば!! とクレイジーは蹴り上げようとしたから、俺は余裕でかわしてやった。
「余裕ぶっこいてんじゃねぇ!!」
「ははは、蹴れるものなら蹴ってみろ!!」
「言ったなぁ!!」
俺達は追いかけっこをしながら洞窟から屋敷に戻った。
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