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車を止めて合鍵を取り出し扉を開ける。
リビングは薄暗くて間接照明しかついていないが、お構いなしにズカズカと入っていけば膝を抱えてソファーに座る和也がいた。
「かず…?体調悪い?」
何も言わず首だけ振って俺の方を見ない和也。
とりあえず俺は床に膝を付いて俯く相手の髪を撫でた。
「かず…、俺の事嫌いなった?だから会いたくないの?」
「ちがっ…!違うよっ…、ただ…」
言葉を詰まらせる相手に優しく声を掛ける。
そうじゃねぇと、こいつは本音を言えないから。
「ただ…?」
「今日会って…明日も一緒にいたらすぐ仕事じゃん…、そしたらまた会えなくなるもん。その方が辛いと思って…。」
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