A×K

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長く続く電子音。 諦め様と耳から携帯を外せばあいつの声が聞こえた。 「…なに?」 声が聞けた喜びも一瞬で冷めた訳は、もしもしでもなく和也の冷たい声に言葉を詰まらせた。 「あっ…の、俺…っ、」 「分かってるよ、赤西だろ?だから何?」 赤西…、呼び方にさえ傷つく俺ってすげー脆いんだな。 「今から会えねぇ…?」 「何時だと思ってんの、しかも今俺の家じゃねぇし。」 あー…なんか心臓が痛ぇ。 「どこ…?」 「別に…、とりあえず俺の家のの近くの交差点近いからそこで待ってる。」 待ち合わせ場所を一方的に告げられ切られた電話。 隠したつもりか…? 後ろから聞こえた和也って誰かが呼ぶ声を消すためにすぐに電話切ったのか? 自分勝手な俺に嫉妬する権利なんかねぇけど、分かっていても眉間に皺が寄る俺。 色々考えながら車を目的地へと向かわせる。
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